プロフィール

天野 眞也(あまの しんや)
株式会社FAプロダクツ 代表取締役会長
日本サポートシステム株式会社 代表取締役
ロボコム株式会社 代表取締役

株式会社キーエンスが、新卒を初めて募集した年に入社。ロボットや自動機に取り付けるセンサーやカメラをエンジニア向けに18年にわたり提案してきた。営業成績のランキングでは同期の新人190人中1位、2年目からは、全社のランキングでも1位になる。26歳で初めて10人以上の部下を率いてマネジメントを経験。その後、グループ責任者、営業所長のポジションを経て社長の直轄である海外営業・重点顧客プロジェクトの初代リーダーに抜擢。1兆円を超えるグローバル企業を相手に営業を仕掛ける。このプロジェクトは3年で大成功を収め大きな転機となり40歳で独立を決意。FAプロダクツの前身である株式会社FAナビを立ち上げ、代表取締役社長に就任。不人気業種となった日本の製造業を、コネクテッド・エンジニアリングを駆使して、そこではたらく人々がワクワクするものにするべく奮闘中。

「これから伸びる業界でトップをとれ」って、
親父の言葉で唯一参考になった(笑)。

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車とバイクが小さな頃から大好きで、小学生のときのスーパーカーブームで完全にハマって、高校1年からバイクに乗り始めました。初めてのバイクは、バイトをしてお金を貯めても、なかなか貯まらなくて…、親父に買ってもらえないかな~と思っていたら、ある日、天袋から出てきた箱の中に、若い頃の親父が母とバイクに乗っていた写真が入っていて…、まじめ一辺倒の親父だと思ったのにびっくりしつつも、その写真を見せて、「俺もバイク乗りたい、買ってくれ!」と説得して買ってもらいましたね(笑)。勉強なんかは「ラクして適当にやっているんだけど、なんか優秀」っていうのがカッコいいと思っていました。就職活動でも、親父がテレビ局で働いていたので、それにならってマスコミか広告かな~、と思っていたのですが、ふと「何かガチでやったほうがいいのかも」と思うようになって、昔から好きだった車関係を受けることに。ですが、日産や本田技研に落ちてしまって…。最後、受かっていたのが、某自動車メーカーとキーエンス。この2つで迷っていたときに、親父に言われたんです。「今がピークの業界には行かない方がいい。これから伸びるところの方がラクしてトップに行けるぞ」って。この言葉を聞いてキーエンスに入りましたけど、間違っていなかった。親父の言葉で参考になったのは、今までの人生で唯一これだけなんですが(笑)。

「まじめにきちんと」が、一番カッコいいと学んだ。

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キーエンスに入って学んだのは、まじめにきちんとやる、「努力」がカッコいいということ。成績は小中では勉強しなくてもクラスで2番くらい、法政高校に入学すると大学はエスカレーター式に上がった。自分は器用でいろんなことができると思っていたのですが、いざ社会に出てみたら、「ぜんぜんわからない、できない」。しかも、メンターの方が入社3年目なのにすごくて、「技術者とゴリゴリに専門的な話をして、商品もジャンジャン売って、マジ神!」と衝撃を受けました。一方で、そんなにできる人が、全くできない自分を怒らないで遅くまで付き合ってくれたり、励ましてくれたり。そういう人を見ていたら、ハーフアクセルで生きてきたのが急に恥ずかしくなって、そこからはメチャメチャ努力しました。成功するまであきらめず、不可能といわれれば言われるほど燃えて。社内の営業成績のランキングで1位になれたのは、ひとえに努力の結果ですね、人には見せませんでしたけれど。でも、ひたすら突き進んできた40歳の頃でしょうか、「キーエンスという名前を外すと自分は何もできないのか」、「いや外してもできるはず」そんな葛藤が生れました。考えていてもしょうがないので、ここは一つ辞めてみようと思って退社しました。キーエンスは待遇もよく、メンバーもいい人ばかりで楽しかったけれど、一度、「天野眞也」として世界に向き合ってみたかったんです。

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「いいモノをつくれば売れる」は、
もう通用しない。

キーエンスを退社後、大好きな製造業を人気業界にしたい!と、ファクトリーオートメーション(FA)を営業支援する会社を立ち上げました。大手完成品メーカーと下請けという系列の中で完結することが多い日本の製造業の構造の中で、“外部コンサルのような立場から、メーカーの課題を分析して解決まで導きます”というコンセプトは、はじめは受け入れられなかったものの、徐々に認められトヨタ自動車様といった大口の契約もとれるようになりました。その中で、製造業は、自分が大好きで長くいる業界ですが、足りない部分が大きく2点あることに気づいたんです。一つは、モノを売るためにはまずは、いい製品だと理解させるための「告知」が重要。二つめは、とくにBtoBでは、告知をする中で「投資に対する効果が明確なこと」が大切。日本の製造業は、大手メーカーと部品製造を手がける下請け企業という構造で支えられてきており、良くも悪くも「いいモノをつくれば、(自社の系列の中で)売れる」という循環がありました。これは、依頼元が系列内、あるいは日本国内であればよかったのかもしれませんが、ここ10~15年のように、白物家電に始まりパソコンも薄型テレビも国外にシェアを取られてきている状況では通用しなくなってきました。製品力を上げるだけでなく、ブランディングを通して「いいモノをつくっていることを知らせる」、それも文化や国が異なる相手にしっかりと知らせることが重要になってきたのです。その気付きを糧に、私たちは、さらに一歩先の未来を見据えた事業を行っています。そもそも「モノをつくる」のではなく、「モノをつくるための“技術”を生み出す」。国際的なモノの価格競争の中で戦うのではなく、自動化技術そのものを国内外の企業に向けて提供しているわけです。もちろん、具体的なモノ以上に、技術を導入することで、「投資に対する効果」がどれほど見込まれるのか「告知」することが重要になることは言うまでもありませんから、デジタルツインをつかったシミュレーションや各種データでしっかり裏付けをしています。

勝手に日本を背負いたい。
他の国に抜かれるのなんて見たくないでしょう?

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国際的に見たときに、コストパフォーマンスで勝負している日本の製造業は、自動化を加速すれば価格を下げられる可能性があるので再度メイドインジャパンを復活させたい。更にいうと世界No1の日本の自動化技術、生産技術(IoTやロボティクス)そのものをグローバルに販売していきたいと考えています。一方で導入を加速するためにはエンジニアの育成がかかせません。国内ではライバル企業同士であってもまさに「呉越同舟」で切磋琢磨していきたい。絶対に負けちゃいけない国はドイツ。これからアジア市場に自動化の波が来たときに、“生産技術力では世界No1の日本”として勝負したい。自分が大好きな自動車などの製造業が、他の国の会社に抜かれていくのなんて見たくないでしょう? 日本の先輩方が頑張ってくれたから今があるのに、私たちの時代で「日本ってダメになったよね」とは言わせたくないから勝手に日本を背負いたいなと(笑)
サーフィンで波に乗るには、波がくる前から沖に出てパドリングしていないといけない。「せっかく業界に大きな波が来ようとしているのに、乗らなきゃどうする」と思って準備を進めています。波に乗る、追い風さえつくれるのがベンチャーの醍醐味ですから、これからこの業界に来る人は、本当に楽しめると思いますよ。

やっぱり車とバイクが好きですね。いま夢中になっているのはアメリカの西海岸をスタートしてルート66を完全走破する事。なかなか1か月とかの休みは取れないので1週間ずつ何度かに分けて走ってます(笑)2年連続で、ラスベガスやグランドキャニオン、セドナなどを走りました。一番のビジネスパートナーであり大好きなFAコムの飯野社長や貴田といっしょに永遠とも思える真っ直ぐなハイウェイを爆走、時にはルート66を少し外れて砂漠を走ると車を降りて一休み、「ガラガラヘビに足を噛まれる!」なんてはしゃぎながらのドライブ旅はすごく楽しい(笑)。アメリカが好きなので、ルート66完全走破はずっとやりたかったんですよ。車もフェラーリやランボルギーニはもちろん大好きなんだけど、、、なぜかアメ車に憧れます。去年無くなった母には、「あんたは小さい頃、社長になってランボルギーニに乗るんだって言っていたのよ」と聞かされましたが、あまり覚えていないんですよね。そのあとアメ車が好きになったのかな。