経営陣たちの出会い。
それぞれの強みを活かしたビジネスとは。
弊社の経営陣が、技術、マーケティング、営業、海外、戦略のそれぞれの立場から、
出会いのきっかけと、それぞれの強みについて語りあいました。
【技術】
飯野 英城(いいの ひでき)
株式会社オフィス エフエイ・コム 代表取締役社長
【マーケティング】
天野 眞也(あまの しんや)
株式会社FAプロダクツ 代表取締役会長
ロボコム株式会社 代表取締役
【営業】
貴田 義和(きだ よしかず)
株式会社FAプロダクツ 代表取締役社長
【海外】
金谷 智昭(かねたに ともあき)
ロボコム株式会社 取締役
【戦略】
藤井 幸一郎(ふじい こういちろう)
ロボコム・アンド・エフエイコム株式会社 取締役

—出会ったきっかけを教えてください。
天野:もともと飯野さんがオフィス エフエイ・コムを経営していて、私と貴田さんのキーエンス時代のお客様だったという関係ですよね。初めて飯野さんに会ったときは、案件でちょっとしたトラブルがあって、私と貴田さんの2人で、オフィス エフエイ・コムがある小山まで怒られにいったようなもの(笑)。「すごく恐い、小山の暴れん坊」という噂は耳にしていて、金髪の人が出てきたのでかなりびっくりしました。でも、お話ししてみたら、一方的に怒られるのではなくて、筋の通った話をさせていただいて「それならいい」となって…。「それよりもこれからのビジネス展開をどうします?」と盛り上がる形でお付き合いがスタートしました。以来、とてもよくしていただいて、出会って2年後くらいに、私と貴田さんがキーエンスを退社する際には、飯野さんのもとへ挨拶に行き、新会社の名前に「FA」の文字をいただいて、株式会社FAナビ(FAプロダクツの前身)という社名にしました。あらためて会社設立の挨拶をしにいくと、飯野さんが「とりあえず50万円で仕事たのむよ」と、ご祝儀代わりに仕事をくれました。男らしい人だなと思いましたね。
貴田:感動しましたよね。会社を立ち上げたばかりの頃は、儲けがすぐに出ない中で、飯野さんがオフィス エフエイ・コムでやっている事業の営業代行をやらせてもらうところから始めました。当時は、営業が仕事を取ってきたら、とにかく受けてもらえるもの、と思っていたのですが、システムインテグレーターというのは、専門に特化して仕事をしているので、“マッチングするもの”を取ってこないと通常は受けてもらえない。その“マッチングするのかしないのか”という判断が当時の私たちにはつかなくて、マッチングしない案件も取ってきてしまっていたんです…。そんな通常なら断られるような無理難題でも、引き受けてくれたのは飯野さんだけ。黒字にならない案件もお渡ししていましたが、「うちの会社の技術力が伸びるかもしれないから」と、チャレンジングに受けてくれて、感謝でいっぱいです。
飯野:自分で売り込むには越えられない壁を破ってくれたのは「THE営業マン」の2人。
天野:素人同然の私たちがとってきた無理難題を、飯野さんだけが引き受けてくれました。
飯野:私から見た天野さん、貴田さんの第一印象は「THE営業マン」。キーエンスの中では2人とも営業のスタイルが変わっていて、特に天野さんはキーエンスの営業マンっぽくなくて、「こんな営業の人もいるんだな」と思いました。その後、他の会社の経営者からも2人の名前を聞くようになって、お2人の営業力のすごさを知り、一緒にビジネスをやりたいと思うようになりました。かつては技術力があればモノは売れると思っていましたが、自分の技術力だけで売り込むには越えられない壁を感じるようになっていたときでしたので、自分にないものを持っている2人に出会えて、私自身、大きく変わりました。

天野:私と貴田さんが、飯野さんと仕事をするようになったのはリーマンショックの直後だったんですよね。当然、飯野さんの会社も影響を受けていたのですが、まだ素人同然の私たちが取ってきた仕事を引き受けてくれたことには本当に感謝しかないです。藤井さんも、はじめは飯野さんとお付き合いがあったんですよね。
藤井:はい。5年くらい前、フリーでコンサルタントをやっていたときに飯野さんと知り合って、はじめはオフィス エフエイ・コム、それからFAプロダクツ、ロボコム含めて全体的なコンサルティングを任せていただくようになりました。売り上げの構造や会社内部など、いろいろな改革をしていきました。赤字になる案件を精査したり…。
貴田:天野さんと私が取ってきた案件も、そこであぶり出されたわけですね(笑)。営業の傾向として、どうしても受注金額が大きいものを取りにいって、粗利などまで考えられずにリスクの塊になっていたりしたので…。
藤井:本当は、金額は中規模でも、リスクが少なく、粗利が出やすいものがビジネスとしては理想なのですが、当時はそうもいかず、いろいろ難しかったですよね。
飯野:藤井さんには、オフィス エフエイ・コムの新しい良い部分をいろいろ作っていただきました。藤井さんの戦略のすごいところは、私が技術の核心をつかんでいても、論理的に伝えることがなかなか難しいものでも、ロジカルに第三者に伝わりやすいようにしてくれるところ。今では、私の技術を材料に、藤井さんが戦略を立てて、天野さんがプレゼンして世に広めるといった図式ができましたよね。
貴田:金谷さんは、前職の商社でタイの支社長をされていたところに、私が、同郷の社長の集まりで「こんな人がいる」という話を聞いていて、会いにいったのがきっかけですね。
金谷:タイで事業をやっていたときに貴田さんに声をかけられて。最初は「何しに来たの?」って(笑)
貴田:帰国した金谷さんからお話があったときは「チャンス!」と思いました。
金谷:タイで事業をバリバリやっていた頃だったので、最初は「何しに来たの?」って感じではありましたけれど(笑)。
貴田:そうでしたね(笑)。金谷さんは技術を極めていて、拠点がない海外の国へ自ら手を上げていって、営業でも結果を出し続けていたというところに私が惚れ込んで、ダメ元で誘い続けていたんですよね。プライベートでゴルフや食事をするお付き合いは続けていて、金谷さんが帰国して数ヶ月経った頃に、金谷さんの方から“ちょっと考えていることがあるんだけど…”とお話があって、これはチャンスだと思って、飯野さんに引き合わせたら、ピタっとハマったんですよね。
金谷:私自身、技術を学び、営業を学んで海外各国で働き、帰国して、日本の仕事に物足りなさを感じていたところでした。貴田さんの紹介で、ここにいる皆さんに出会って、ここならまた面白い仕事ができるんじゃないか、日本一になれるんじゃないか、と思って仲間に入れていただきました。技術では飯野さん、営業では天野さんと貴田さんというスペシャリストがいるので、私は、海外で得た知見で役に立てると思っています。

—それぞれの強みはどんなところですか?
天野:日本の製造業のマーケティングに関しては、足りないところが2つあると思っています。1つは市場調査、トレンドのつかみ方がうまくなく、受身であること。私たちは「これからどんなものが大事になるのか」、常に市場調査をしていて、それに基づいたデータで提案ができます。くわえて、6万件のデータベースを持っていて、デジタルマーケティングのツールと知見を、大手にひけをとらずに保有・活用ができています。もう1つは告知力。“コネクテッド・マーケティング”と呼んでいますが、ホームページなど以外にも、記者会見をしたりインスタグラム、Facebookなど、さまざまな媒体を駆使して告知宣伝をやっているところは、システムインテグレーター業界では珍しいと思います。
天野:日本の製造業のマーケティングに必要なのは、市場調査と告知力。
飯野:徹底したマーケティングから新しい分野、サービス、売り方が生まれます。
飯野:技術の面で言うと、システムインテグレーターはずっと下請けで、自分たちだけで何かを作っていくという企業は少ないです。そんな中で、コネクテット・エンジニアリング グループは、自社でモノやソリューションを生み出し、完成できる力があります。これから世に必要とされるであろうモノをいち早くキャッチし、スピード感をもって、潜在ニーズに適合、製品やパーツなど、いろいろなものを組み合わせて作り上げ、メイドイン・ジャパンを世界に出すイメージです。技術領域で言えば、私が得意なのは、電気とソフトウエア。でもそれだけではなくてセンサーやIT、クラウドなども取り入れています。
製造業では、技術領域を超えると、畑違いだから手を出さないという認識が一般的です。領域を横断的に取り扱う企業は弊社くらいではないでしょうか。技術領域の境目を越える、あるいは境目に近いグレーの部分を積極的に担っていこうと思っています。徹底的に顧客のマーケティングをすることで、新しい分野を、新しいサービス、新しい売り方でつないでいく。その「コネクテッド・エンジニアリング」を武器に、日本で未開拓の市場、あるいは食品や化粧品などのようにまだ手が余り回っていない市場へ、いち早く乗り出しています。この先、人手不足が深刻になる中で、どう生産量を維持していくのか、どう技術でカバーしていくのか、どう効果を出していくのか、それらを解決に導くのが私たちの使命だと思っています。
貴田:今までのFA業界というのは、ネットや広告などを使って、トレンドをどう作るか、人をどう集客するかといったことはやってきていませんでした。それらをうまく活用しながら、メッセージを伝えていく、ムーブメントを起こす。このチームで取り組んでいき、ゆくゆくは海外にも展開します。“売り方を売る”つまり、他社にできない価値をまとめて資料化して見える化し、シナリオや仕組みをしっかりつくり込んで、それを売るということも始めています。

藤井:技術の組み合わせ、マッチングにかけて唯一無二なのが、今のTeam Cross FA。
金谷:さらに、その組み合わせを世界を相手に展開していくところです。
藤井:キーワードは「技術の組み合わせ」だと思います。日本の製造業だと、通常の会社は「1つの技術で複数の会社とお付き合いをする」か、「1つの会社とお付き合いをして、複数の技術を提供するか」でした。そんななかFAプロダクツは「複数の技術で、複数の会社とお付き合いをする」というビジネスモデル。そうなると技術もお客様も複数なので、いろいろな会社にアプローチできますが、やり取りもミッションも莫大な数になるので、スーパースターのような知見を持った人がいないとできないんじゃないか、となってきます。ただそんな人はたくさんいるわけではないので、すべて一からつくるのではなく、いろいろな技術と技術を組み合わせて、最適なものをつくることになります。そのマッチングにかけては唯一無二の会社が今のTeam Cross FA。今後も、さまざまな案件を通して知見がたまっていき、どんどん発展していければと思っています。
金谷:これからどんどん新たな顧客が、新たな技術を求めてくるときに、藤井さんがおっしゃった、「1つの技術」や「1つの会社」に特化した「通常の会社」では対応できなくなります。新たな技術を求めたときに活きるのは、唯一無二であるTeam Cross FAの組み合わせ技術。組み合わせは、常に最新で新しいものだけが売れるというわけではありません。みんなが同じものをほしがるわけではなく、たとえば、車だとレクサスが欲しい人もいれば、ちょい乗りの軽自動車が欲しい人もいるように、それぞれニーズが違います。タイで仕事をしていたときに、日本の最新技術を持ってきたのに、タイではまだその技術のニーズが無くて全然売れなかった、ということがありました。また、ミャンマーでは、そもそも工場がほとんど無くて、ロボットや最新の技術の需要がありませんでした。“そのとき”の“その場所”に対して、ちょうどいい提案や組み合わせができる技術が大切で、そのために機械やITをどう組み合わせていくのか、というのが本当の意味で、「最適な組み合わせ技術」と言えますね。技術が、どれほどの精度で、どれほどの収益が期待できれば、ビジネスとして成立するかを考えてくれるのが藤井さん。そこに私の経験と知見を組み合わせて、どの国や地域にいつ技術を導入するのが最適なのかを見極めるのが私。それぞれの得意分野を活かして、ビジネスするうえでの「最適な」選択を模索できるのが当社の強みですね。
天野:バックボーンもさまざまで、マーケティング、技術、営業、海外、戦略と、それぞれの武器を持った我々が、ビジネスの上でも最適な「コネクテッド」をして、最高の成果を出していきたいですね。
